輪廻 プレミアム・エディション

35年前の事実と製作中の映画のストーリーが交錯するうえに、
夢か幻覚のような場面もかぶさる。クライマックスで、
この3つの世界が交わるのだが、ここに清水監督の天才ぶりを実感できるだろう。
近年のホラーは、結末がどんなに意外でも、
新鮮さを感じるのは稀だが、本作は、その点もクリア。ラストは、
静かな恐ろしさに加え、驚きも満点だ。
もちろん、夜道を走るトラックの運転手が味わう恐怖など、
正統派ホラーらしい演出も完璧。中盤までは目立たないが、
後半での優香の狂気の表情は、彼女のイメージを変えるほどの凄まじさである。
ホラーであると同時に、映画製作の舞台裏が楽しめるのも本作の特徴。

輪廻 プレミアム・エディション